防風通聖散とは
さて防風通聖散という漢方薬ですが、一般的には体の熱さましや、病因を発散させて改善させるような働きがあるとされています。
更に、体内の水分循環の改善や、便通を促進する作用もあるので、比較的体力のある太鼓腹のような肥満タイプの人で、便秘で悩んでいる人には向いている漢方薬です。
配合されている成分についてですが、もともと漢方薬は、自然の草や木から抽出した生薬の組み合わせによってできています。この防風通聖散では、防風や麻黄などの病因を発散して治療する発散性生薬を中心に、熱や炎症を和らげるもの、便通を促進するもの、余分な水分を排出するもの、血流を改善するものなどがいろいろ配合されています。
これらが並行して作用することで、バランスのいい効果を発揮するというわけです。病院で処方されるのは、煎じる手間の不要な乾燥エキス剤を使用するのが多いようです。
防風通聖散ができたのは、中国の金時代あたりといわれており、金時代は今から約900年前ということで、当時の古典書である「宣明論」という本で紹介されていた処方となっています。
名前の由来は主成分である防風と聖人という意味の通聖が合わさったものだと考えられます。こうして長い月日の間、人々の間で利用されてきたのが防風通聖散で、その効果がいかに確かなものなのかがわかります。