防風通聖散のその他成分
防風通聖散は前述の主成分以外にも多くの生薬が配合されています。それらは、芒硝、石膏、白朮、荊芥、連翹、桔梗、山梔子、芍薬、当帰、川きゅう、薄荷、滑石、生姜、甘草などで、良く聞く名前もあると思います。
芒硝は天然産結晶硫酸ナトリウムのことで薬味は当然ですが塩味で、緩下、消化、利尿薬としての効果があります。腹部に塊のあるもの(宿食、腹満)、心腹部に抵抗のあるものに用いられ、大黄と共に配合されることが多いようです。
石膏は天然産含水硫酸カルシウムのことで、薬味は芒硝とは対照的に甘くて辛いもので、解熱作用 消炎作用 止渇作用がありますが、特に解熱効果は高いとされています。
白朮はビャクジュツと読み、キク科オケラ(オオバナオケラ含む)の根茎で、強壮薬の一つとして中国では唐王朝時代から広く利用されている生薬です。
脾と気の強壮、湿を取り除き、過剰な発汗を抑制して抵抗力を強化するということで、人参(チョウセンニンジン)、伏苓、甘草などと共に有名な煎じ薬である四君子湯にも調合されており、これもダイエット中に食欲を抑える漢方薬として奨励されているようです。
荊芥はシソ科ケイガイの花穂および茎葉で、鎮痛作用、抗炎症作用として皮膚疾患に常用されています。他の桔梗や生姜、甘草などおなじみの生薬も含め、これだけの生薬をバランスよく調合してあるのですから、そのノウハウはさすがに歴史を感じさせるものです。