防風通聖散の主成分
防風通聖散の主成分は名前の通りの防風と麻黄、大黄などで、防風はセリ科の植物の一種で中国東北部から華北地域にかけて原産となる多年生草本です。花期は8~9月頃で白い小花を咲かせますが、根や根茎が防風いう生薬で使われます。
薬味は辛く、発汗、解熱、鎮痛、鎮痙作用があります。麻黄はマオウ科の属のひとつで、中国からヨーロッパの地中海沿岸、北アフリカ、南北アメリカ大陸の乾燥地に分布する常緑低木です。生薬として使われるのは、中国北部などの砂漠地帯に分布する双穂麻黄や、草麻黄などの地下茎で、これにはエフェドリンという気管支喘息に効果のある成分が含まれています。
薬味は防風と同様に辛く、まず肺に入り風寒による過剰な表証を抑制して発汗を促します。又、肺気を活性化させたり利尿を促進する効果もあります。
歴史は防風よりも古そうで、6世紀の陶弘景が、寒の症状を治療する第一薬として推薦していたとのことで1400年も昔のことです。
大黄はダイオウ属タデ科の属のひとつで、この植物を総称して大黄というのですが、生薬、漢方薬の分野では、この一部の植物の根茎を基原とした生薬のことを大黄と呼んでいます。
大黄がジャムやお菓子のフレーバーなど食用にも利用されますが、生薬としても消炎、止血、緩下作用や、下剤として便秘薬に配合されることで有名です。薬味は苦く、胆汁促進や膵液の分泌をやや促進させて利尿作用もあります。